こんにちは!カルロウです!
Twitterのプロフィールに「ガスペリーニが退席処分になるくらいの頻度でブログを執筆する」と書いていましたが…
見事、前節ガスペリーニが退席処分になったということでブログを書くことにしました。
近年イタリアのクラブがCLで勝てなくなって久しくなりました。
昨シーズンはベスト8にはどのクラブも進めず、今シーズンも決していい結果を残しているとは言えない状況でしょう。
他国のメガクラブと比べて資金力が不足しているといえばそれまでです。しかし、それでは漠然とした話になってしまうので…
今回はTransfermarktでの「市場価値」に着目して現状を整理したうえで、他国メガクラブとのスカッドの差を視覚化させていきたいと思います。
すると、CLで結果を残す一つのボーダーラインが明らかになってきました。それがタイトルにもある「700m€の壁」です。
※市場価値=資金力は全く成り立ちませんが、一定程度相関関係はあると思うので参考程度に読んでください。正直データを探すのが楽だったから選びました()
※2020-21と2021-22を対象にデータを集めております。サンプル数が少ないですが、別にこのブログでお金を貰っているわけじゃないしいいよね()
※このブログは現状整理をするだけです。よくよく見返すと当たり前のことしか言っていません。新たな視点を提供するというよりは、モヤモヤをはっきりさせるためのブログです。
1.700m€の壁とは?
700m€の壁とは、CLで安定的な成績を残すにはチームの市場価値が700m€必要であること。また、700m€以下のクラブは700m€以上のクラブとの勝率が極端に悪いことを示します。
なぜ700m€が基準になるかの説明は超絶長くなりそうなので割愛致しますが
①ここで区切ると直接対決の勝率の差が最も大きくなるから
②昨季から今季にかけて700m€以上から700m€未満へと市場価値が変化したクラブの成績が大きく低下しているから
の2点です。
市場価値が700m€を超えるクラブは具体的にはシティ、パリ、リバプール、レアル、バイエルン、ユナイテッド、チェルシー、昨季のバルセロナ、昨季のアトレティコになります。
ケチがつきそうですが便宜上これらを「メガクラブ」と呼ぶことにします。
比較対象とするクラブもそれなりに大きいクラブである必要があります。そのため、市場価値が500m€以上700m€未満のクラブと比較してみます。具体的には今季のバルサ、今季のアトレティコ、ドルトムント、ユベントス、インテル、昨季のライプツィヒになります。
これらも便宜上「ビッグクラブ」と呼ぶことにします。
※上位クラブの現在の市場価値
これらのクラブの2020-21・2021-22のCLの成績を見てみましょう。
まずはメガクラブの成績です。
⑴メガクラブの対700m€以下のクラブの成績
75勝13分13敗 勝率74.3%(決勝Tは14勝2分1敗。全て勝ち抜け)
⑵メガクラブの対700m€以上のクラブ(=メガクラブ)の成績
16勝8分16敗 勝率50%(当たり前ですが笑)
※GL敗退は20-21のユナイテッドのみ
次にビッグクラブの成績です。
⑴ビッグクラブの対700m€以下のクラブの成績
27勝9分7敗 勝率62.8%(決勝Tは2勝2分1敗)
⑵ビッグクラブの対700m€以上(=メガクラブ)のクラブの成績
4勝2分16敗 勝率18.2%(決勝Tは1分5敗。全て敗退)
※GL敗退は20-21のインテル、21-22のバルセロナ、ドルトムント。
直接対決ではかなり明確に差が出ていますね。対700m€以下のクラブでも若干差が出ています。近年のCLで安定的に好成績を残すには700m€以上が必要になっているようです。
実際に昨季の決勝トーナメント表や今年のグループリーグを見ると、700m€が一つの基準であることがわかります。
昨年の決勝トーナメント
今年のグループリーグ
2.イタリア勢の現状
そして目線をイタリアに向けましょう。イタリア勢のCLでの成績はこちらです。
⑴イタリア勢の対700m€以下のクラブの成績
19勝14分4敗 勝率51.4%(決勝Tは1勝1分1敗)
⑵イタリア勢の対700m€以上のクラブの成績
3勝1分15敗 勝率15.8%(決勝Tは5敗)
こちらも①で述べたような傾向が顕著に見られますね。
ここには市場価値が500m€以下、すなわちビッグクラブには含まれていないミラン・ラツィオ・アタランタも含まれるため、対700m€以下のクラブに対しても勝率は少し下がります。
決勝Tに関して、対700m€以下とはユベントスしか対戦がありません。くじ運も悪いですね()
低迷っぷりがわかったところでイタリア勢の市場価値です。主要なクラブをまとめたものが下になります。1番右は欧州全体での順位です。
この欧州全体の順位と、「壁」となるメガクラブが7クラブあることを考えるとベスト16敗退は妥当な線ともとれてしまいます。
イタリアの特徴としては、メガクラブはないけどベスト50に入るクラブは少なくないということです。数としてはぶっちぎりのイングランドは置いといて()ラリーガと同数の8クラブで2位タイ。
優勝争いという観点で見れば近年はイタリアが最もギリギリまでもつれるケースが増えてきているという傾向の理由もこれで視覚化されますね。
またCLが32クラブあるならイタリアの出場枠が4枠というのもかろうじて妥当といえるのはないでしょうか(願望)
3.メガクラブとの差は?
ではイタリア勢のメガクラブとスカッド上の差はどこにあるのでしょうか?
イタリアのビッグクラブであるユベントス・インテルと、選手の数が近くて比較的メガクラブの中で市場価値が低いユナイテッドとレアルマドリーと比較してみます。
ただ比較すると訳がわからないので、ここでは選手を市場価値順に分け、各区分の人数を比較します。(レンタル選手を含む)
具体的には…
⑴60m€以上
⑵40m€以上60m€未満
⑶20m€以上40m€未満
⑷10m€以上20m€未満
とします。
これが個人的には意外な結果でした。⑴のようないわゆるスーパースターとなるような選手が少ないのかと勝手に思っていましたが、それらを支えるスタメン級の⑵の人数こそが差になっていました。
ちなみにイタリアで次に市場価値の高いナポリとミランはそもそも⑴の人数が足りていないという結果に(ナポリはオシメンのみ。ミランは0人)
また、シティ・PSG・リバプールの3クラブは⑴がボリュームゾーンとなっておりました。世界は広いです。
次にポジション順に並べてみます。ポジションはTransfermarktでの分類を用います。
これを見ると、ユナイテッドとレアルマドリーは各ポジションにバランスよく40m€以上の選手を保有しています。
一方、イタリアの2クラブは特定のポジションは20m€以下の選手で補っている形になります。
もちろんベテラン選手は市場価値が下がるので20m€以下の選手が実力がないとは限らないですが、市場価値の高い選手が実力があることは間違いないのでその意味でスカッドに差があることは言えると思います。
4.最後に
今回は市場価値という観点でメガクラブとの差を視覚化させてみました。
市場価値の特性上どうしてもベテラン選手が低くなるため、正確にチーム力を表している指標とは言えませんが、かなり肌感覚と近い数字になりましたね。まあ市場価値には成績も反映されているので当たり前といえば当たり前ですが。その意味でこれは「ただ当たり前のことを言っているたけのブログ」なのです。
ご覧いただきありがとうございました!
P.S.もはやこれは「セリエA入門」ではないな…