
こんにちは!カルロウです!
最近はXで発信をする人も増えてきたため、各クラブの選手や戦術の特徴などの情報は手に入るようになりました。
しかし、お金の面に関してはまだまだ踏み入れられておらず、「このクラブはお金がない」とか「ここは金満だ」などと漠然としたイメージでしか語られていないことが多いです。
特に夏の移籍期間はお金のことについてクローズアップされることが多かったため、そこで、今回はセリエAの各クラブの財務面を貸借対照表と損益計算書から分析し、各クラブの特徴を掴んでいこうという内容になります。
※財務分析のプロではないのでざっくりとした感じです
※所々chatGPT君の力も借りているので情報の真偽が怪しい所があるかもしれません
※今回財務面の分析はcapolgyというサイトのデータをもとにしておりますが、わりと眉唾物です。大まかな参考程度にしておいてください
※財務諸表には他にもキャッシュフロー計算書と呼ばれるものがありますが今回は割愛します。
- 〇貸借対照表と損益計算書
- ○インテル
- ○ミラン
- 〇ユベントス
- 〇ナポリ
- 〇アタランタ
- 〇ローマ
- 〇ラツィオ
- 〇フィオレンティーナ
- 〇ボローニャ
- 〇トリノ
- 〇カリアリ
- 〇レッチェ
- 〇ジェノア
- 〇ヴェローナ
- 〇ウディネーゼ
- 〇サッスオーロ
- 最後に
〇貸借対照表と損益計算書
まず、ほとんどの方は前提として貸借対照表と損益計算書って何なの?ってなると思いますのでそちらの説明から。
どちらも企業の財務面のデータを表すものでありますが、貸借対照表は「企業がもつ資産や負債をまとめた資料(財政状態を表した資料)」、損益計算書は「企業の収入や支出をまとめた資料(会社の一定期間の成績を表した資料)」になります。
これらを照らし合わせることでそのクラブが今持っているものと、この1年のお金の出入りがわかるのです。
そして、それぞれに出てくる用語の説明はこちらの通りになります。1発で覚えられる訳ないので随時照らし合わせ見てください。訳や例はガバガバです()
※海外のデータなので日本の財務諸表とは若干項目が異なります。


そして、データが2023/24までしかないため、今回分析対象にあげたのは2023/24にセリエAに所属していた今シーズンセリエAを戦う16クラブになります。昇降格があると大きく財政が変わってしまいますからね。
そのため、今期セリエAで戦う20クラブのうち、コモ・パルマ・ピサ・クレモネーゼを除いた16クラブです。
「あんなにお金持ってそうなコモが気になるのにやらねーのかよ!」となるかもしれませんが、まだ昇格後のデータが見当たらないので、それが公表され次第個別にブログにしようかなと思ってます。
そして、それではそれぞれのデータを見てみましょう。順番は左から昨季の順位順になっています!
※23/24のデータなのでご注意下さい。例えばボローニャとかはまだCL出てません。
※貸借対照表では資産と負債・純資産の合計は普通一致しますが、今回計算の都合上多少ズレはあります。


ウワァ スウジガイッパイダ!!
これをもとに各クラブの「お金の」特徴をピックアップしていきます!
ある程度似たクラブごとにまとまっている方がわかりやすいので、今回は北の3強から行きます!
が、その前に一般的な傾向として少しだけ先に特徴をお伝えすると、一般的にビッグクラブほど色々な方向から収益を獲得できます。CLに出れば放映権料もかなり増えますし、ブランド力もあるのでグッズとかも世界中で売れて商業収入も増えます。一方プロヴィンチャになればなるほど、放映権料も減ってしまうので、収入は選手売却益に依存する傾向にあります。とはいえ減るといっても放映権料も大きな柱です。
○インテル
※まずインテルの財務に関するお話は我らがファンカルの発起人、TORAさんのnoteの方がはるかに詳しく書いております。
インテルを一言で要約すると「イタリア最大のクラブ(収入も!負債も!)」です!
インテルは三冠以降人件費がかさみ、財政的に厳しい状況に陥りました。2016年に中国の蘇寧グループがインテルを買収し、増資を行ったが体質はそれほど変わらず。コロナ禍以降蘇寧の経営難と中国政府の規制により財政は悪化。多額の負債を抱えました。2021年にオークツリーが資金繰りに苦しむ蘇寧に融資を行い、もし返済できなければオークツリーがインテルの株式を取得する条件に。CLの躍進などで資金繰りはある程度改善するも蘇寧の債務依存は改善できず2024年にオークツリー体制に移行。それ以降もスポーツ面の成功もあって改善傾向にありますが、まだ多額の負債があります。
・インテルの財務諸表上の特徴
なんといっても負債の額です。7億3482万ユーロとセリエA最大の数字。しかし、観客動員もイタリア最多、また近年の好成績もあって収入も4億7321万ユーロと最大です。試合関連収入(7083万ユーロ)、放映権収入(1億7642万ユーロ)は目を引きますね。
一つ注目なのが金融損益。3543万ユーロのマイナス。インテルは多額の借入があり、その利息の支払いだけでこれほど支払っています。出費も引き続き多い状況であり、商業収入はユベントス・ミランと比べると少ないため今後も好成績を残せるかがカギとなりますね。
インテルは財政再建中の収入も負債もイタリアで最大のクラブです!
○ミラン
続いて同じ街のライバルミランです。
ミランを一言で要約すると「少しずつ健全化」になります。
ベルルスコーニ時代からスター選手の獲得で財政を圧迫してきたが、2010年代にそれが完全に顕著に。2017年に李勇鴻が買収するも借入頼みで財政はさらに悪化。負債は4億ユーロ近くに膨れ上がりました。2018年にエリオットの買収により、若手中心の補強戦略に切り替え、21/22シーズンにはスクデットを獲得して黒字化。2022年に買収をしたレッドバードも基本的にその路線を継承しています。
・ミランの財務諸表上の特徴
ミランは全体的に突出したデータはなく、まとまっています。負債も3億3210万ユーロと多いですがインテルや後述のユベントスやローマほどではなくなっています。また、自己資本比率が高く特に資本金は1億1344万ユーロと最大。資本金は過去の長い歴史の中で継続して資本注入が行われてきたためです。直近エリオットからレッドバードに変わった際も増資が行われています。
また、世界的なブランド力の高さと人気から商業収入も1億4344万ユーロ、試合関連収入も6億9394万ユーロと高く、逆に人件費は若手中心の戦略からか1億8728万ユーロと北の3強の中では1番少なく抑えられています。
ミランは若手中心の補強戦略によって少しずつ債務を減らせているクラブです!
〇ユベントス
続いてユベントスです。一言でいうと「スタジアム効果で猛追も…」です。
2011年にイタリアではいち早くスタジアムを保有し、9連覇という黄金期を迎えたユベントス。特にアリアンツスタジアムは商業施設も交えトリノの観光地としても機能し、大きな収益基盤となっています。しかし近年高コストなスカッドを保有していたこともあり、現在は不正会計問題も含め財政面の不安なニュースが飛び交うこともありますが実際にはどうなっているのでしょうか。
・ユベントスの財務諸表上の特徴
まずはなんといっても有形固定資産が1億7763万ユーロとダントツトップなところです。アリアンツスタジアムの保有は資産上でものすごく大きな数字になっています。また、こちらも負債が非常に大きくなっていますね。ロナウド・イグアイン・デリフト・ドウグラスルイス等、近年イタリアのクラブの中では突出して大型補強をしているユーベ。人件費は2億6410万ユーロと減少傾向も現在もリーグNo.1でありこれがじわじわと負債の原因になっています。また、スタジアムもローンも少し残っており、2024年には2200万ユーロ、2025年と26年には1100万ユーロ程度返済の必要があります。
損益計算書では、商業収入がNo.1ですね。ブランド力や知名度はもちろん、スタジアムの商業利用も理由です。
ユベントスはスタジアムを始めとして確固たる収益基盤はありつつも、黄金期から続く大型補強のツケが回ってきている段階です。
セリエAのクラブはやはり債務が多いですね。次はその中でも健全経営として知られるナポリ・アタランタを見ていきましょう!
〇ナポリ
昨季王者のナポリ。一言でいうと「A(あかん)D(どうみても)L(レベル高い)」です。
皆様がナポリのお金事情にどのようなイメージを持っているかはわかりませんが、実はヨーロッパでも最高レベルに健全な経営をしているクラブです。近年でもカバーニ・イグアイン・キムミンジェ・クヴァラツヘリア・オシムヘンと高額の売却に成功していますが、会長のADLことアウレリオ・デ・ラウレンティス会長は資金注入をあまりせずに黒字経営を達成しました。経営破綻をして2004年にセリエCに降格した時に就任してここまで持っていく手腕は見事としか言いようがないですね。では実際に財務諸表上を見てみましょう。
・ナポリの財務諸表上の特徴
まず2億1049万ユーロと圧倒的に現金及び現金同等物が多いですね。ADLの堅実な経営と上記のような高額売却の成功によってセリエAではダントツの流動資金を保有しております。
しかし、北の3強クラブと比較すると試合関連収入(2739万ユーロ)と商業収入(7022万ユーロ)は少ないですね。これはスタジアムは未保有かつ南部の経済水準的にチケット単価が低いこと、都市としての経済規模とグローバル的なブランド力が北の3強より弱いことが理由です。でも北の3強以外と比較すると優秀ですし、その分人件費等の費用は1億1640万ユーロと抑えめのため優秀なことは変わらないですね!実際にこの年の純利益も6303万ユーロとリーグNo.1であり、今夏にはoff the pitchが選ぶ欧州で最も持続可能な経営をしているクラブに選ばれています!
ナポリはADLのもと欧州でも随一な健全経営を達成できているクラブです!
〇アタランタ
続いてアタランタです。一言でいうと「究極のプロヴィンチャ」です。
もともと昇降格を繰り返すクラブだったのが、ガスペリーニ政権以降大躍進を遂げて欧州カップ戦の常連に。高額の選手売却を積み重ねて財政を健全化し、とうとうEL王者に…
こんなすごい話あるんですか?って言うくらいすごいですよね。サッカー面での成功が取り出さされますが、財政面も凄いです。実際にスタジアムの保有も進めており、サッカー面だけでなく財政面でもプロヴィンチャの規模感を超えました。しかし、数字をよく見るとプロヴィンチャが大きくなった感じの特徴になっているのがわかります。
・アタランタの財務諸表上の特徴
まずはイメージ通り移籍関連収入が7187万ユーロと多いですね。ガスペリーニ政権下ではなんと10億6000万ユーロもの選手売却の収入があったとされます。凄まじいですね。利益剰余金が1億5702万ユーロあるのもその賜物です。さらに、際立つのは負債の少なさです。特に長期負債7604万ユーロと異例の少なさです。スタジアムの改修費用も4000万ユーロ程度あるのですが、健全なキャッシュフローで無理なく借りて無理なく返せています。また、人件費も1億1517万ユーロと同じ欧州カップ戦のライバルと比較しても少ないです。
しかし、CL等の放映権と売却益に依存しているプロヴィンチャ型に近い経営でもあります。実際に試合関連収入1969万ユーロ、商業収入は2367万ユーロ欧州カップ戦のライバルよりは少ないです。成績が低迷してしまうと放映権収入と選手売却も滞ることから、成績の維持が至上命題です。
アタランタに関しては単年で切り取るよりもガスペリーニ政権下での拡大を見る方が面白いです。アタランタは2016年から9年連続黒字(今年も多分黒字なので10年連続濃厚)であり、実際に、アタランタはこの10年で総収入は約8300万ユーロから2億4214万ユーロと3倍近くになっております。
アタランタはプロヴィンチャの特徴を残しつつ好成績と選手売却の好循環によってプロヴィンチャよりはるかに大きな財政規模への進化を実現できたクラブです。
次に、ローマ勢の2つを見てみましょう。順位もいつも似たようなところにいますが、財務面ではどうなっているのでしょうか。
〇ローマ
ローマの特徴を一言で表すと「サイズ感合ってる?」です。
ローマも漠然とお金ないイメージをお持ちの方も多いと思います。センシ家体制の時にスクデットを獲得しますが補強費が収入を上回り多額の負債を抱えます。2011年からのパロッタ体制では新スタジアム構想で挽回を計りに行きますが計画が頓挫し、破綻寸前に。2020年にテキサスの大富豪のフリードキン家が買収し、積極的な資本注入で立て直しをしている最中です。
・ローマの財務諸表上の特徴
まず目立つのが負債の多さ。短期負債は1億8513万ユーロ、長期負債はなんと4億9615万ユーロです。なぜここまで負債が積み上がってしまったのかは単純に収入と比較して支出が大きいからです。ローマは14年連続純損失を計上しています。損益計算書を見ると、まず人件費が1億9348万ユーロとユベントス・インテルに次ぐ数字となっております。総年俸はミランやナポリよりも大きいのです。その上で収入を見ると、商業収入が889万ユーロと1億ユーロ近く稼いでいる北の3強の10分の1以下です。また、ローマは観客動員数こそ多いものの、スタジアムは保有していないため試合関連収入も北の3強に比べれば劣後します。
ちなみに、引当金・剰余金が大きいのはFFPへの罰金に備えているという一面もあります。人件費(スカッドコスト)に対しての収入がどれくらいかというのがFFPのルールの中にあるので、ローマはまさに気をつけないと行けないクラブです。資本金が多いのはフリードキンオーナーが資金注入には比較的積極的なことも表れています。
そのため、支出は北の3強並みで収入は北の3強未満という歪な構造ゆえに大量の負債を抱えてしまっているのがローマです。
※追記
Xのリプ欄でcalciofinanzaによると商業収入は7000万ユーロだとご指摘を受けました。北の3強より少ないというのは変わりませんが収入の柱にはなれるほどの大きさですね!
〇ラツィオ
続いてラツィオです。一言で要約すると「切り詰めるも…」です。
皆様もラツィオはなんとなくロティート会長が堅実(悪くいえばケチくさい)イメージがあると思いますが、財務諸表上にもそれは現れております。触れなければいけないのはラツィオの今夏の補強禁止処分ですね。現在ラツィオはFIGC(イタリアサッカー連盟)から補強禁止処分を受けています。それは、「流動性指数」「負債比率」「人件費比率」が基準値を超えたことによるものです。流動性指数は1年以内の負債(短期負債)をどれだけ現金等の流動性のある資産で賄えるか。負債比率は資産に対してどれだけ負債があるか。人件費比率は人件費を収益で割って算出されたものになります。これらは財務諸表を見ればわかるものになります。
・ラツィオの財務諸表上の特徴
まずは何より現金及び現金同等物が184万ユーロと圧倒的に少ないことです。これが流動性指数がアウトの原因です。また、負債(2億8808万ユーロ)や人件費(1億1462万ユーロ)自体はセリエのビッグクラブと比較すると大きくはないですが、逆をいうと収入も劣後しています。また、ロティート会長はラツィオの財政再建を求められた2004年に就任し、資金投入をせずにクラブが自らの収益で運営できるようにしたいという方針があります。もちろんこの路線自体は良いことですが、逆を言うと資金投入に超消極的ということになります。そのため、負債や支出を切り詰めてきたのですが、資金投入も見込めないために財務の改善が期待できないと見なされてとうとう限界を迎えてしまったのですね。
商業収入も245万ユーロと少なく、ロティート会長時代の21年間のうち14年はメインスポンサーが不在であり、さらに同都市に商業面に関して言えば優位に立つローマというクラブがあるため伸びにくいのですね。
ラツィオは堅実な経営をしようとはしているがそれ以上に資産や収入が少なく補強禁止処分になってしまったクラブなのです。
次にオーナーがお金持ちの印象のあるフィオレンティーナを見てみましょう。さらに、その後はプロヴィンチャゾーンに入って中堅のボローニャ・トリノと続きます。
〇フィオレンティーナ
続いてフィオレンティーナです。一言で要約すると「コンミッソパワー💪」です。
フィオレンティーナはケーブルTV大手Mediacomの創業者であるコンミッソオーナーのもと、大量の資金が投入しております。実際に、現在スタジアム(26年完成予定)の改築や大規模練習場のヴィオラパークの建設(完成済)が進んでおります。来年のクラブ創設100年に向けて大規模なプロジェクトが進んでおりますが、オーナーの潤沢な資金で選手を獲得するコモとは異なり、スタジアムや練習場といったハード面から整えております。
・フィオレンティーナの財務諸表上の特徴
まずは有形固定資産が1億1666万ユーロとかなり多くなっています。これは、スタジアム改修による費用やヴィオラパークが計上されていると思われます。また、短期負債が5761万ユーロ、長期負債が772万ユーロと少なくなっておりますが、これは借金による資金調達ではなくオーナーの資金注入(増資等)で対応しているからです。
あと特徴としては商業収入が4556万ユーロとクラブ規模を考えると大きいです。これは、フィレンツェというある程度大きいマーケットを独占できており、スポンサー収入が大きいです。さらに、コンミッソが創業者のMediacomからの胸スポンサー収入は年間約2500万ユーロとされており、セリエAでも3番手になります。これもオーナーからの間接的な資本注入といえますね。
フィオレンティーナはコンミッソオーナーのもとハード面に資金注入をしてプロジェクトを進行させているクラブですね!
〇ボローニャ
続いてボローニャです。一言で要約すると「地域密着」です。
この年のボローニャはCL出場権を獲得するなど大躍進を遂げた年。なので財務諸表上は特殊です。先に言ってしまうと試合関連収入が859万ユーロと昨年の640万ユーロと比較して多くなっております。1試合あたりの平均観客数も25914人と昨年の22314人から大幅に増えております。
今はCLに出てコッパイタリアもとってとクラブとしてワンランク上に行った感じがありますよね。
とはいってもボローニャはプロヴィンチャのクラブです。経営規模としては今までのクラブより一回り小さくなります。
・ボローニャの財務諸表上の特徴
まずは長期債権が932万ユーロとかなり少ないです。ボローニャに関しては2000万ユーロ以上の大規模な売却はなく、商業収入等が多いことや(資本金や現金が少ない方から)オーナーも資金注入に積極的なことが理由で選手売却に依存していないので、それが少ない理由でしょう。
商業収入は2060万ユーロと躍進関係なくプロヴィンチャにしては多いです。これはボローニャという都市自体がそこそこの規模であるが、大都市ではないため地域密着型のスポンサーが多いことが理由です。製造業や食品業の地元企業も多く、メインスポンサーのSaputoもボローニャ出身の一族の企業です。
ボローニャは地域密着でスポンサーを獲得し、選手売却に頼らない中堅クラブです。
※この年の大躍進以降は選手の価値も大幅に上がり、カラフィオーリ(4500万ユーロ)・ザークツィー(4250万ユーロ)・エンドイェ(4200万ユーロ)・ベウケマ(3100万ユーロ)といった高額な売却も増えています。また、放映権収入も大きく増えたと思うのでアタランタのような形に近づいていると思います。
〇トリノ
続いてトリノです。一言で要約すると「デカプロヴィンチャ」です。
セリエAで「中堅」といえば真っ先に出てくるクラブじゃないでしょうか。残留争いをするクラブの選手を買える資金力はありますし、成績も安定しています。しかし、財務上はこのあと出てくるプロヴィンチャとそこまで系統は変わらず、少し規模が大きくなったくらいです。考えてみるとわかる通り、サッカーファンはほとんどが極一部のビッグクラブのファンです。中堅クラブは実力はそこそこでもCLに出るわけでもなく、ファンベースの規模はプロヴィンチャとそこまで変わらないため放映権収入や試合関連収入・商業収入は少なく、収益チャネルも似ています。
・トリノの財務諸表上の特徴
無形固定資産は1億1786万ユーロとビッグクラブほどではないですが、プロヴィンチャよりは大きくなっています。また、選手移籍収入も5916万とプロヴィンチャより大きいです。基本トリノは1500万ユーロくらいまでしか1選手に払いませんが、ブレーメル(4690万ユーロ)・ボンジョルノ(3500万ユーロ)といった高額な放出もあるのが特徴です。年によって差は激しいですが。
また、同じ街にユベントスというビッグクラブがあるため商業収入(1667万ユーロ)と多くないです。カイロ会長は堅実な経営方針でオーナーからの資金注入には消極的のため、放映権収入と売却益による運営が基本のプロヴィンチャ的な経営になっています。
トリノはプロヴィンチャ的な経営ですが、中堅クラブとして規模感はプロヴィンチャより大きくなっているクラブですね!
次に残留争いをするプロヴィンチャです。まずは健全な経営をできているカリアリ・レッチェです。プロヴィンチャは放映権と売却益に依存する割合がかなり高くなります。
〇カリアリ
カリアリです。一言で要約すると「サルデーニャサイズの経営」です。
カリアリはサルデーニャ島の唯一の大きなクラブとして島内の人気を独占しており、その傾向が色濃く表れています。プロヴィンチャではあるんですが、根強い人気があることから健全経営をしているクラブです。また、保有はしていないですが、当時スタジアムの改修を行っており、その影響も大きいです。
・カリアリの財務諸表上の特徴
まずは有形固定資産が1926万ユーロと比較的多いです。これは保有はしてないですがスタジアムの改修を行っており、それが計上しています。なぜ保有していないのに資産なのかは詳細を話すと長くなりますが、長期的なリースをしていたり、改修した部分があったりした場合はそれを資産と組み込めるそうです。
カリアリの特徴は選手売却による収入は過去の移籍を見ても多くないところです。ではなぜプロヴィンチャでそれが成り立つのでしょうか?
それは、放映権収入に加えて商業収入が1744万ユーロとプロヴィンチャではかなり高い水準だからです。人口が160万人を超えるサルデーニャ島の人気を独占していることが大きいです。地元のスポンサーが多くついてるんですね。実際に24/25のユニフォームスポンサーはArborea・サルデーニャ州(自治体そのもの!)と言ったサルデーニャ島ゆかりのスポンサーが見られます。
カリアリは放映権収入と商業収入という安定した収入を軸に成り立つ健全経営のクラブです。
〇レッチェ
続いてレッチェです。一言で要約すると「無理なく健全に」です。
レッチェは昇降格を繰り返す南部の小さなクラブ。都市の規模もセリエAの他のクラブのホームタウンよりかなり小規模です。過去の補強を見てみるとわかる通り、補強はとにかく少額です。1000万ユーロを超える補強はせず、500万ユーロを超えるのも稀です。
・レッチェの財務諸表上の特徴
全体的にコンパクトな経営になっているのがわかりますよね。人件費は3754万ユーロと最小クラス。無形固定資産も4643万ユーロと少ないです。大型補強をしないことからスカッドも安価になっています。その結果現金及び現金同等物は433万ユーロとプロヴィンチャにしてはキャッシュを持っており、負債は5675万ユーロと少ないです。
移籍関連収入は2428万ユーロとそれほど多くありません。もちろん選手売却でも着実に利益は出していますが、大型の売却が少ないのが特徴です。基本的に売却益に依存するというよりは放映権収入の方を柱としているクラブです。
レッチェはコンパクトに無理のない経営をし、安定した成果を挙げているクラブです!
次に移籍金に依存する典型的なプロヴィンチャの2クラブ、ジェノア・ヴェローナです。
〇ジェノア
一言で要約すると「積極的な補強!売却!借金!」です。
ジェノアは実はプロヴィンチャにしては大型補強をするクラブ。直近だとレテギ、デ・ウィンター・ピナモンティ・ストゥラーロ等の1000万ユーロ超え(何なら2000万ユーロ近い選手も)の補強も2年に1回くらいしています。残留が至上命題の中で、大型補強で勝負に出て残留争いに勝ち抜き、高額売却をするサイクルです。
・ジェノアの財務諸表上の特徴
上記の特徴がよく表れており、短期債権(1億1083万ユーロ)や無形固定資産(1億7695万ユーロ)多いのも、高額転売で移籍金を多く受け取ったり、大型補強で選手の価値が大きかったりすることが要因です。
また、近年はセリエAにいることが多いですが、少し前までは昇降格を繰り返してきました。また、ジェノヴァという規模感ではそこまで大きくないマーケットでサンプドリアと利益を2分するため商業収入も最下位(242万ユーロ)です。そのため、利益剰余金(-3254万ユーロ)の積み上げがなく、キャッシュが少ない状況にあります。もともと売却益に依存して負債が積み上がる中、コロナ禍では経営状態が悪化し、コロナ禍の特例を活用して税金や社会保険料の納付を延長。税務負債が1億ユーロ以上なってしまいました。結局交渉の結果、この35%を10年で分割で返済中です。
ジェノアは大量補強で残留を目指しつつ、財政が火の車になっているクラブなのです。
〇ヴェローナ
続いてヴェローナです。一言で要約すると「備えあるが余裕なし」です。
ジェノアと比べると派手な補強はせず、財政的にも落ち着いていますが、売却益で何とかなっているのが現状です。また、昇降格が多いクラブなので、その備えをたくさんしておりますし、逆にそれが故に次のステージにも進みづらい状況です。
・ヴェローナの財務諸表上の特徴
長期債権が多い(3589万ユーロ)ですが、これに関しては選手売却に伴うものだと思われます。エンゴンゲ(20m€)やイリッチ(16.5m€)の売却が理由だと思われます。また、負債を見ていただくと短期負債(7734万ユーロ)が長期負債(2485万ユーロ)より圧倒的に多いのがわかります。これに関しては、毎年残留争いに巻き込まれるため、基本的に目先の補強が多いからです。また、ジェノアと同様昇降格が多いため、積み上げとしての利益剰余金は少ない(-2498万ユーロ)です。その結果、ジェノアほどではないですがプロヴィンチャにしては負債が多くなっています。
一方、商業収入はプロヴィンチャとしては少なくはなく、地域密着かつ熱狂的なファンが多い街ゆえの特徴だと思われます。
ヴェローナは常に降格リスクがあるため小規模な経営になっており、自転車操業になっているクラブです。
最後に特殊事情のある2クラブです。プロヴィンチャにしては珍しくスタジアムを保有しているウディネーゼと、超小規模都市ながら地元の優良企業がスポンサーのサッスオーロです。
〇ウディネーゼ
一言で要約すると「スタジアムはできたんだけど…」です。
ウディネーゼは2013年に自治体保有のスタジアムを買収し、3年かけてスタジアムを改修。2016年に完成し、ルーマニアの自動車メーカーのDaciaが命名権を買い取り、ダチア・アレーナとなりました。イタリアではユベントス・アタランタ・サッスオーロしか保有していないのでかなり異例となります。
また、クラブの特徴としてはオーナーのポッツォ一族はワトフォードのオーナーであり、毎年何人もの選手を交換しあってます。
あとは、世界各地にスカウト網を張り巡らし、未知なる才能を獲得して高額で売却しているクラブです。アレクシス・サンチェスやハンダノヴィッチ、最近だとデパウルや今夏移籍のビヨル等も有名ですね。
・ウディネーゼの財務諸表上の特徴
その結果ではありますが、有形固定資産が2060万ユーロと多いです。土地や建物が資産として計上されるからですね。また、利益剰余金がマイナスなのもスタジアムの改修のローンがまだ残っている可能性が高いからとも言えますね。
この改修により来場客数は1試合平均1万数千人から2万人程度へと増えました。しかし、ホームタウンのウーディネはイタリアの最東部にあり都心からのアクセスも悪く、チケットの単価を高めづらい地域のため、試合関連収入や商業収入は増加傾向にあっても限定的。新規ファンはあまり獲得できず、地元ファンのリピーターが増えているだけのようです。
また、無形固定資産が1億9531万ユーロと多いのは、昔から幅広いスカウト網を活用して選手を獲得し、高額で売却するスタイルゆえですね。しかし、さらに特徴的なのが、ワトフォードとの頻繁な選手の行き来がこれを押し上げていることもあります。
ウディネーゼはスタジアムを保有・改修したがまだあまり効果として出ておらず、結局従来のスカウト網を生かした選手の売却益に依存しているクラブといえますね。
〇サッスオーロ
続いてサッスオーロです。一言で要約すると「神様・仏様・マペイ様」です。
サッスオーロはわずか人口4万人の町になります。なぜそのような町がセリエAにいられるかというと強力な親会社がいるのです。
それがマペイ(MAPEI)です。ホームスタジアムの名前でおなじみですが、こちらはミラノに本社を置く建築材料のメーカー(接着剤とか)です。2002年、当時4部にいた時代から買収しております。調べてみるとわかりますが、めっちゃ大きい会社です。
あれ、ミラノなの?と思った方もいるはずです。ビジネスの都合上本社はミラノですが、実はマペイの創業の地はサッスオーロなのです。この地域は粘土資源が豊富にあったことから陶磁器タイル産業で栄えており、タイル張りには接着剤が必要であることからこの地でビジネスを起こしました。
・サッスオーロの財務諸表上の特徴
まずはプロヴィンチャにしては有形固定資産が1083万ユーロと多いです。これは、マペイの支援により、スタジアムを保有していることやトレーニング施設や不動産関連の施設への投資が行われています。また、商業収入も2684万ユーロと多いです。これは、マペイからのユニフォームのスポンサーからの収入・スタジアムの命名権が多いからです。実際にユニフォームのスポンサー料として1800万ユーロ受け取っているとされ、これは北の3強とフィオレンティーナに次ぐ5番目です。
しかし、人口が少ない都市なのもあり、試合関連収入は303万ユーロと少ないです。実際に、平均の観客動員数は一試合あたり14,578人。これは23/24シーズンでは18番目になります。
このように、都市の規模感に伴うマイナス面を大きい親会社で賄っているのがサッスオーロの大きな特徴です。
最後に
いかがだったでしょうか。
少しでも各クラブになんとなくでもイメージがついたらよかったです。
今回はクラブ間比較でしたが、リーグ間の比較をしても面白いと思いますし、今度やってみようと思っています。
ご覧いただきありがとうございました!
※出典
CalcioFinanza、capology、transfermarkt、tuttoatalanta、mediaset、Appunti di Luca Marrota、RocketFan、フットボールチャンネル、sempremilan.com、private equity insights、Juventus.com、Cagliari、Seatpick.com、swissramble




















個人的にディマルコが他リーグのファンを含めても高い







やはり


他リーグのビッグクラブでの経験の長い


ルイス・フェリペはライバルクラブのCB






エースのサパタは高いですが、主力のパロミノが想像以上に低くて驚きました。セリエファンでも名前すら知らない人がわりと存在したのは驚きでした。

活躍と父が有名がゆえに







キャプテンのヌイティンクはイタリアに数年いることからプロヴィンチャの主力型かと思いきや、めちゃくちゃ

アルナウトヴィッチはデウロフェウと同じような形に。なんか納得です。

活躍中&

得点王経験もある大ベテラン

監督のチ




代表経験も少なく移籍の噂もあまり上がらない

代表経験も豊富で実績のある








